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■ガンダムさん
 元気にお外で遊んでいると、ガンダムがやってきました。
「やあ、あんまり日に当たっていないで、おうちでアニメをみるんだよ」
 そういいのこして、ガンダムはずしんずしんと地響きをたてて去っていきました。
「おにいちゃん、おにいちゃん、いまそこにガンダムがきてたよ」
 ぼくはおうちでアニメをみているおにいちゃんに、そういいました。
「ふうん、なにガンダムだい」
 おにいちゃんはうすぐらい部屋でピカピカひかるテレビの画面をみながら、ぼくにいいました。
「ぼくにはガンダムはむずかしくて、よくわかんないよ」
 ぼくはお外で遊ぶことがすきなので、ガンダムのことはよくわかりません。
「おれならガンダムなんて一目でみわけがつくのに、おまえはものをしらないな」
 おにいちゃんの言いように、ぼくは腹がたちました。なんだい、このオタクやろうとばせいをあびせて、おうちから飛びだしました。
 ひとりぼっちで道をあるいていると、またしてもガンダムにはちあいました。ガンダムは大きくて、体長はビルほどにもおおきなものでした。
「やあ、まだ遊んでいるのかい、この時間はおうちでアニメをみてなきゃいけないよ」
 ガンダムはあたまのおおきなふたつの目玉と機関砲をぼくにむけて、そういいました。
「おにいちゃんと喧嘩しちゃったから、すごくかえりづらいんだ」
「わたしもいっしょにあやまってあげるから、はやく帰ってアニメをみるんだ」
 そういうわけで、ぼくはガンダムといっしょにおうちにかえります。
「すげぇ! RX-78、ガンダムだ!」
 おにいちゃんはぼくといっしょのガンダムをみて、すっかり感激していました。ぼくのいったこともすっかりわすれて、むちゅうになってガンダムガンダムさわいでいます。
「きみはいい年をしてアニメばかりみてちゃあいけないよ」
 ガンダムはおにいちゃんにそういうと、バーニアをふかしてお空にとんでいきました。
「やっぱすげぇや、ガンダムは」
 おにいちゃんはガンダムがすっかりみえなくなっても、ずっとお空をみあげていました。ぼくはテレビの前のソファーにすわって、アニメをみました。ピカピカひかるテレビの画面は、なるほど楽しいものでした。
 それから十日ほどたって、戦争がはじまりました。
 気温がいきなり十三度もあがったみたいに、よのなかはさわがしくなりました。
 お空をながめているとまっすぐに光がとんでいき、きゅんと空気が悲鳴をあげます。そうして、どこかでなにかが爆発するのです。
 まるでアニメをみているみたいでした。とおくで大きなひとかげが土煙にまかれてうごいているのが、うっすらと見えました。きっとガンダムがたたかっているのです。
「みとけよ、おにいちゃんはガンダム乗りになってかえってくるからな」
 おにいちゃんはふかみどりの服をきて兵隊にとられていきました。おとうさんとおかあさんはめそめそと泣いていました。ぼくだけが元気みたいで、なんだかわるいような気がしました。
 戦争がはじまってから、ガンダムとお話することはありませんでした。ガンダムは兵器なのです、兵器は戦争がおしごとなのです。きっといそがしくしているのだとおもいました。
 そかい先でおにいちゃんから手紙をもらいました。おにいちゃんは写真のなかで、ガンダムのあしもとで笑顔をうかべてピースをしています。
『まだガンダムにはのれないけど、戦争はとてもたのしいものです
 おまえももっと大きければいっしょに戦争にいけたのに、残念です
 きっと、おまえが大きくなったころには戦争はおわっています
 お国の軍隊はとてもつよくて、戦争はあと半年もしないうちにおわってしまうでしょう
 うらやましがられても、おにいちゃんにはどうしようもありません』
 おにいちゃんからの手紙にはそうありましたが、戦争はそれから三年もつづきました。街はすっかりかわってしまい、そかい先からかえったときには見しった風景よりも、やけ野原やクレーターのような爆心地のほうがおおいくらいでした。
 おにいちゃんはかえってきませんでした。ガンダムにのれたのかどうかも、わからずじまいでした。とおくの島で戦死をしたそうで、お骨も遺品もありませんでした。
 占領軍のひとたちは装甲車や戦車で道路をはしっていきます。そのなかにはみあげるようなロボットはいなくて、ぼくはしんそこがっかりしました。
 高台にあるひろい公園に、ガンダムの首級がさらしものになりました。外国のことばでたくさん落書きがしてありました。こどもたちがおもしろはんぶんに石をなげたりしました。こわれたレンズの瞳には、埃や雨水がたまって、雑草がはえていました。
「ねぇ、ガンダムさん
 おにいちゃんはあなたにのれたの?
 あなたもとおい島でおにいちゃんといっしょにやられちゃったの?
 敵のひとたちはおおきなロボットなんてもってないみたい
 それなのに、どうしてぼくらの国は戦争に負けてしまったんだろう」
 はなしかけてみても、こたえはかえってきませんでした。
 ガンダムはあんなに親切にしてくれたのに、首だけだなんてとてもかわいそうにおもえました。きっと、ガンダムは小さいものみんなにやさしいのでしょう。ガンダムにとっては、ぼくも戦車もかわりない、小さな子供にみえたのかもしれません。だからガンダムはやられてしまったのだとおもいます。
 ぼくはえいくそっ、とくやしくなって、石をなげてる子供たちにげんこつをくわせてやりました。もっと戦争がつづいていたらとおもいます。あるいは、ぼくがガンダムに乗れるくらいにおおきくなってから戦争をやっていたらとおもいます。ぼくなら小さいこどもにだってようしゃはしません。そしたらきっと、ガンダムで敵国の大地をあしにふみしめ、この街みたいにしてやれたことでしょう。つぎの戦争までには、ガンダムがいったようにたくさんアニメをみながらりっぱな大人になることを決心しました。
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